とっても重要なメンタルケア
比べてみました!
病院の看護師と施設の看護師の違いについて
唐突ですが、お仕事で看護師を目指されていらっしゃる方や、過去に病院での勤務経験をお持ちの方で施設での看護業務にご興味を持たれている方々の為に、実際に病院勤めの経験を持つ、現在は当法人の看護師さんとしてお仕事をやっている方にお話を伺ってみました。すると以下のような比較表を書いて頂きました。
これから施設で看護師を目指される方には、是非参考にして頂ければと思います。
ともすれば、施設で働き始めてこんな筈じゃなかったのに、私は看護師なのよ!どうして?こんな事とか・・
色々な食い違いで長続きしないという事も過去の例としてございました。
後述しますご自身の経験など掲載していますので、熟読をお勧めいたします。
項目
コスモス会
一般病院
対象者に対して
長期的・継続的
治れば終了
利用者に対して
家族のような関係
一時的
毎日の業務
日によって違う
・健康チェック
・通院付き添い
・食事や排せつ等の生活支援
・薬の管理
・行事の参加(外出・外食)
病院によって決まった流れ
役割
・健康管理(利用者・職員)
・健康相談(助言)
・医師、病院との連携
・医療的立場からの相談
・利用者からの相談
・メンタルケア(管理・援助・介護)
・ご家族への説明
・医師の指示の下で治療
向いている人
・協調性のある人
・明るい人
・要領のいい人
(機転の利く人)
・几帳面な人
・医療行為のスキルをあげたい人
・医療行為が好きな人
大変さ
・訴えが激しい人への対応
・介護面の負担が大きい
・障害特性の把握
・急患対応
・毎日看る患者が違う
・自分を頼ってくれる
・判断力が付いてくる
・関わる利用者さんは限られている
・様々な職員(多職種)が係わる為、
いろんな視点があり、変化に気づき やすい
・偏った視点や考えにならない
メリット
・医療行為のスキルアップ
施設の看護師さんのお仕事
障害者施設での看護の仕事
多くの方は、看護師=病院・介護施設といったイメージがあるのかと思います。
病院・介護施設での看護師は、先生の指示の下、患者様の治療のサポートを行われます。
では、障害者施設での看護師って、一体どういう仕事をするのでしょう…
興味はあってもイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。
今回、障害者施設で働く看護師の役割や、私が働いて思った事を皆さんにお伝えしたいと思います。
生活介護事業所(通所)・重度、高齢者を対象としたGH(グループホーム)で看護師をしています。
主に、重度・高齢の知的障害、精神障害の方の健康管理・通院支援を行っております。
施設では、家族のように寄り添って長期的に関わる事が出来る為、生活全面を見る事が出来、様々な発見、変化にも気づき、この利用者さんにとって何が出来るのか一時的な一面だけではなく全面的に考える事が出来ます。
また、様々な職種の職員がいますので、相談・協力しながらチームとして総合的に(生活・医療・介護)支援を行っています。
私が働いている職場
障害者施設の看護師として働くようになって6年経ちますが、訴えが困難な利用者さんの体調把握に苦戦したり、また、自分が判断しなくてはいけないというプレッシャーに押しつぶされそうになったり、悩む時が多くありました。
そんな時、支えになったのは、施設長・上司・職員の皆さんでした。
皆さんが頼りにしてくれている!!
看護師としての助言や指示が利用者さんを始め、職員の皆さんに安心を与えている…。
このことを実感できた時、この上ない喜びであり、誇りとなりました。
更に、『しっかりしないと』という責任感や、『今、何をすべきか』の判断力がついてきたのも、障害者施設で仕事をする看護師ならではの意識の変化なのかと思います。
正直、『障害』と聞くと抵抗のある人もいるのではないでしょうか。
どうやって関係性を築いていくのか…訴えが困難な利用者さんに対してどのようにるのか…不安が強いのかと思います。
私も実際そうでした。不安を抱えたまま仕事に来ていたことを今でも覚えています。
しかし、そのような不安をかき消してくれたのは、利用者の皆さんでした。
「看護師さん、看護師さん」と毎日声を掛けてくれました。
また、毎日いろいろな表情、行動でその日の体調を教えてくれました。利用者さんから「看護師」として認識して貰えている事、頼ってもらっている事。
そして、何よりもいつも笑顔でいらっしゃる姿、いつも元気な姿を見て次第に、不安や抵抗はなくなっていました。
利用者さんの支援をしながら、私も支えられている事を常々実感します。
利用者の皆さんと、泣いて・笑って・喧嘩して・仲直りして・喜んで…何事においても共に感じる事が出来ます。
だから、私はこの仕事が大好きです。
障害者施設の看護師として働けて良かったと思います。
現在、当事業所は重度・高齢化を迎えております。
胃瘻の方、吸引が必要な方、寝たきりの方…様々な方がいらっしゃいます。
私が、障害者施設で働くようになって6年…
3名の方の人生の最期に立ち会いました。
2名の方は、病院で最期を迎えられました。1名はGHで最期を迎えました。
GHで最期を迎えられた方は、ご家族のご希望により最期はお友達(利用者)に囲まれて迎えてほしい…
この希望を叶える為に、医療機関・施設長・職員と連携をとり、体制を整えて、最期を迎えました。
勤務者の不安は大きかったと思います。しかし、職員の協力もあり、亡くなれた方のご家族から、「故人は、ここで最期を迎えられて幸せでした。本当にありがとうございました」と言葉を頂きました。大変でしたが、やって良かった…と感じたのを覚えています。これから先、人生の終末期を迎えられる利用者さんに何をしてあげられるのか。
利用者の皆さんが残された予後をいかに有意義に過ごしていけるか、一日一日を大切に使って利用者さんのやりたい事や、ご家族の要望にも耳を傾け、充実した予後をすごして貰える様にしないと…という感情を教えてくれたのは、3名の方の存在があったからだと思います。
まとめ
看護師は医療機関や介護施設以外でも、やりがいがもてる環境はたくさんあると思います。
自分に向いている職場(医療機関・介護施設・障害者施設…等)がきっと皆さんにあります。
1日1日を大事に、寄り添った深い看護をしたい方、決まりきった業務を淡々とこなす仕事ではなく、毎日刺激的で、
ケースバイケースの仕事をしたい方、障害に興味のある方は、福祉の世界を経験してみてはいかかでしょうか…
病院で経験してきた事とは違った、看護師としてのスキルが身につくのではないかと思います。
レスト 看護師 吉本 美香
初めは大変でした…でも、今は誇りです!!
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